IIRフィルタの発振について

IIRフィルタをシリアルに多段(4以上?)接続する場合、発振に注意しなければなりません。


下の図は、HPF by IIR, Fs=1000, Fc1=100, Number of IIRs=8, Data bit length=8, Coeffs bit length=12の際の波形です。カットオフ付近(90Hz)の信号をフルスケールで入力すると、回路内で波形が大きくなり過ぎて、リミッタによりクリップされています。それにより高周波成分が発生し、しかもHPFであるのでそれが増幅されてしまいます(トータルでは通過域ゲイン 0dB ですが、それぞれのIIRはそれぞれのゲインを持っているから)。最終的に90Hzはカットされなければならないのですが、妙な周波数が乗って出力されます。(シミュレータはModelSim EE/Plus 5.2d by Model Technology Inc.)


多段のIIRを設計するときはこのように、カットオフ付近の周波数の振り幅解析をしてください。この現象が起こった場合は、データのビット長を増やすか、IIRの順番を入れ替えましょう。

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