SoftOscillo2 Standard Edition機能説明書
窓関数

 「N個のデータをFFTする」ということはfig.3-1のように「N個のデータを繋ぎ合わせて周期化した信号のフーリエ級数」と同じと考えられます。したがって、隣り合うNポイント同士のつなぎ目の部分では波形の正と負が不均等になり、直流成分が発生します。また、その部分で高周波成分も発生します。


fig.3-1

 fig.3-2はそれにハニング窓(窓関数の一種)を掛け合わせたものです。つなぎ目の不連続点が消えるため、直流成分がなくなり、高周波成分も減少します。


fig.3-2

 このように窓関数には、波形の前後が減衰してしまうというデメリットがありますが、それを補うに余りあるメリット(直流/高周波成分を抑える)があります。

 SoftOscillo2で用意する窓関数は6種類あります。(fig.3-3)

fig.3-3

 以下に各窓関数の特長を示します。
○ハニング窓: フロアノイズが比較的小さくなる。
○ハミング窓: スペクトルが比較的鋭角になる。
○ブラックマン窓: フロアノイズが小さくなる。
○ブラックマン−ハリス窓: フロアノイズがとても小さくなる(デフォルト)。
○バートレット窓: スペクトルが比較的鋭角になる。
○矩形窓: スペクトルがとても鋭角になる。

 シグナルインティグリティ(THD+N, SNなど)を測定する際は、フロアノイズの小さいブラックマン−ハリス窓が良いでしょう。

Back