コラム16 画像処理の定番ライブラリ、「OpenCV」のインストール OpenCV(Open source Computer Vision Library)はインテル社が提供する、オープンソースの画像処理ライブラリです。カメラを操作する関数や静止画・動画を処理する関数などが含まれますが、本企画では主にOpenCVの図形を描画する関数を使います。 ●OpenCVに必要なツールやライブラリをインストール ラズベリーパイをネットに接続した後、Terminalで次のようにタイプしてツールやライブラリをインストールします。 sudo apt-get install -yV libgtk2.0-dev pkg-config cmake libgtk2.0-devはOpenCVで使用するGUI(Graphical User Interface)のライブラリです。pkg-configはアプリケーションのコンパイルの際、ヘッダーファイルやライブラリがどこにあるのか教えてくれるツールです。cmakeはOpenCVをソースからビルドするためのツールです。 ●OpenCVのソースはブラウザでダウンロードする 次にOpenCVのソースをダウンロードします。”Web Browser”を開き、以下のサイトに行きましょう(図1-83)。 http://opencv.org 図1-83 OpenCVのサイトからReleasesをクリック 同図のようにReleasesをクリックし、2.4.13.6(*1)を見つけて図1-84のようにクリックします。更に図1-85のようにSource Code(zip)をクリックするとOpenCVのソース・コードをダウンロードできます。約90MByteのZIPアーカイブです。 (*1)このバージョンのみで動作確認している。4.x.xや3.x.xでは動かない可能性がある 図1-84 バージョンは2.4.13.6 図1-85 Srouce code(zip)をダウンロード(約90MByte) ●アーカイブを解凍する ダウンロードしたZIPは~/Downloadsにあります。Terminalを開き、次のように解凍してフォルダを移動しましょう。すると図1-86のようにデスクトップにフォルダが現れます。 cd ~/Downloads unzip opencv-2.4.13.6.zip mv opencv-2.4.13.6 ../Desktop 図1-86 フォルダをデスクトップに移動 ●OpenCVをビルドする。長いコマンドはコピー&ペーストしよう buildディレクトリを作成してOpenCVをビルドします。最後のコマンドは長いので、Web Browserで本サイトからコピー&ペーストすると良いでしょう。(*2) cd ~/Desktop/opencv-2.4.13.6 mkdir build cd build cmake -D CMAKE_BUILD_TYPE=RELEASE -D CMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr/local -D WITH_TBB=OFF -D BUILD_NEW_PYTHON_SUPPORT=OFF -D WITH_V4L=ON -D INSTALL_C_EXAMPLES=OFF -D INSTALL_PYTHON_EXAMPLES=OFF -D BUILD_EXAMPLES=OFF -D WITH_QT=OFF -D WITH_OPENGL=OFF -D WITH_OPENMP=ON -D ENABLE_VFPV3=ON -D ENABLE_NEON=ON .. (*2) cmakeのオプションは「ラズベリーパイ 2 or 3」ならこれで良いが、「ラズベリーパイ ZERO」の場合は最後の2つ(ENABLE_VFPV3とENABLE_NEON)をOFFにすること。 ●makeコマンドには時間がかかる その後、次のようにコマンドを打ちます。最初のmakeコマンドは1時間ほどかかると思います。(*3) make -j4 sudo make install sudo ldconfig 最後にOpenGLのライブラリをインストールしてリブートします。 sudo apt-get install -yV libgl1-mesa-dri sudo reboot これでOpenCVを使う準備ができました! (*3)エラーが出て中断する場合は再度makeすると途中から再開する。数回繰り返してもだめな場合はリブートしてから試してみるとよい。ラズベリーパイ 2 or 3 はクアッド・コアなので、makeにオプション"-j4"を付けるとそれらが効率的に使用される。ラズベリーパイ ZEROはシングル・コアなのでこのオプションは使わない。 目次へ戻る |