コラム2A 2次IIRフィルタ(Biquad)の差分方程式と伝達関数


●インパルス応答が無限に続くIIR型

 このようなフィードバックループを持つフィルタを「IIR(Infinite Impulse Response)フィルタ」と呼びます。
 2次のIIRフィルタを「Biquad」といい、その
差分方程式は次のようになります。

 式2-35

 この式においてx[n], y[n]のZ変換をそれぞれX(z), Y(z)とおき、kサンプル遅延がz^-kになることを考慮に入れると、次式になります。



 すなわち、



 移項して整理すると
伝達関数H(z)は次式になります。

 式2-36


●IIRフィルタの表記法には2通りあるので注意!

 差分方程式(式2-35)やブロック図において、フィードバック側の係数b1, b2を乗算した後、
減算しています。
 それに対して伝達関数(式2-36)では係数b1, b2を乗算した後、
加算しています。伝達関数を求める際、b1, b2にかかる部分を「移項」するためにこの現象が起こります。


●何かおかしいと思ったらb1とb2の符号に注意しよう!

 本企画では式2-35、36のような「
差分方程式の方で減算」の表現法を使います。それに対し、図2-124のような「伝達関数の方で減算」の表現法を適用する書籍やツールがあるので注意してください。
 2つの表現法のうちどちらが正しいと言う問題ではありませんが、どちらかに統一する必要があります。IIRフィルタの特性が思うようにいかない場合は真っ先に疑いましょう。


図2-124 このように表現する書籍/ツールがあるので注意。本企画でこの表現は使わない


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