コラム02 デジタル信号処理の種類


 デジタル信号処理には大雑把に言って「信号を解析する」手法と「信号を処理する」手法が存在します。表2にそれらの代表例を示します。

 表2 信号を解析・処理するのがデジタル信号処理
信号をどうする? 手法
解析する FFT、相関検出、音声認識、画像認識
処理する デジタルフィルタ、圧縮/伸張、変調/復調、信号予測、画像補正


●FFTで解析してデジタルフィルタで処理する

 このスマホアプリでは、マイクの音声に「FFT」(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)を施すことができます。また同アプリでは「デジタルフィルタ」を施すこともできます。すなわちFFTにより、どの周波数成分が必要/不要かを判断し、デジタルフィルタで必要な成分だけ取り出すことができるのです。

 本企画ではデジタル信号処理の代表的な解析法「
FFT」と処理法「デジタルフィルタ」をメインに説明を進めます。


●デジタル信号処理のメリットはたくさんある

 アナログ信号処理と比較してデジタル信号処理には「特性の変更が容易」といったメリットがあります。また「適応型処理」というアナログではほぼ不可能な処理さえも可能になります。次節ではそのあたりを説明したいと思います。


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