コラム36 Biquadを縦続接続してより複雑な特性(続き)

●今度はノッチフィルタに変えてみる

 
4番目のBiquadの係数をこれと置き換えます。これは「
ノッチフィルタ」という、特定の周波数(この場合500Hz)を取り除くフィルタです。

                4番目のBiquadを変更

●LPFに新たなノッチ特性が加わる

 同シートの右の方の周波数特性を見てみましょう(下図)。4kHzまで基本的にローパス特性ですが、500Hzだけ極端に減衰しています。4つのBiquadのうち、最初の3つがLPFで、最後の1つがノッチフィルタ、縦続接続だとそれらの特性が加算されます。

             低い周波数は通過だが500Hzだけは通さない

●io-sinwaveシートの右端を見る

 入力の周波数を変えてみましょう(READMEシートのB5セル)。下図(a)は400Hzで、ここはほぼ通過しますが、同図(b)のように
500Hzになると突然減衰します。そして同図(c)のように700Hzまで上げるとまた通過域に戻ります。
図(a) 400Hz

図(b) 500Hz

図(c) 700Hz

●ノッチフィルタとは逆に特定周波数を上げるフィルタ

 この係数に変えると「
ピーキングフィルタ」になります。下図のように200Hzだけが12dBほど持ち上がっています。

             特定の周波数の音が大きくなる

●各Biquadの特性を見てみる

 各列の下の方に各Biquadの周波数特性があります。最初の3つがLPF、最後の1つを色々な特性に変えました。それら4つを加算したものがトータルの周波数特性となります(右端)。

            EXCELの表示スケールを縮小して確認

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