コラム33 FIRのタップ数を増やしてより急峻・複雑な特性(続き)
●帯域を上げたり下げたりするイコライザ
FIRフィルタでタップ数が280にもなると様々な特性を持たせることができます。下図のようなイコライジングも可能になります(この係数をコピペ)。 |

低域は0dB, 中域は-40dB, 高域は-20dB, 境界域は-80dB
●完全に取り去るわけでなく、ある程度残すことも可能
周波数特性では高域で-20dBになっています。試しに6000Hzを入力すると下図のように振幅が1/10になっており、上記特性と一致しています。
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io-sinwaveシート。6000Hzは出力が1/10なので-20dB
●インパルス応答を見てみよう
最後のio-impulseシートを見ると下図のように入力は単位インパルス(最初だけ1,あとは0)になっています。これに対する出力を「インパルス応答」といいます。
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io-impulseシートを見る
出力y[n]はVBAで計算します。Module3(fir_imp_cal)を開いて実行します。 |

イコライザのインパルス応答は下図のようになります。x[n]と比べてy[n]のピークは3.16msほど遅延しています。またインパルス応答はFIRの係数と同じになります(この図から自明)。 |

図3-39 インパルス応答の真ん中の時刻が遅延量になる
●タップ数が一定なら特性によらず遅延量が一定
FIRフィルタの遅延量はタップ数で決まり、280タップなら(280-1)/2/44.1kHz = 3.16msとなります。この値はLPF/HPF/BPF/BRFでもイコライザでも同じです。
上図のインパルス応答を見るとそれが納得できるかと思います。詳しくは漫画26を参照してください。
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