コラム35 EXCELでIIRフィルタを実行する(続き)
●サイン波が減衰しているのを確認
5つの乗算結果を足し込んだものがN列の出力y[n]になります。横軸をTime、縦軸をそれぞれx[n]、y[n]としたグラフを下図に示します。1kHzのサイン波が-3dB減衰しており、振幅特性と一致します。
また遅延は90度ほどあります。位相特性を見ると1kHzで-1.5[rad]、すなわち-π/2になっており、これも一致しています。 |

減衰して遅延している
●入力周波数を変えてみる
それでは他の周波数ではどうでしょうか。下図のようにREADMEシートの入力周波数(B5セル)を300としてみましょう。 |

入力周波数はREADMEで変える
●カット1kHzのLPFなので300Hzは通過域
すると入力のサイン波が300Hzに変わるので、io-sinwaveシートのグラフを見てみましょう。振幅は減衰なしの0dB(これと比較)、位相は30度ほどの遅延(-0.5rad)が見られます(これと比較)。いずれも特性通りになっています。 |

振幅はほぼ0dB、位相は-30度(-0.5rad)ほど
●カット1kHzのLPFなので2kHzは減衰域
次は2kHzにしてみましょう。READMEシートの入力周波数(B5セル)を2000とします。入出力を見てみると、振幅は-12dB程度(これと比較)、位相は150度ほどの遅延(-2.6rad)が見られます(これと比較)。いずれも特性通りになっています。 |

振幅は-12dBほど、位相は-150度(-2.6rad)ほど
●インパルス応答のシートを見る
隣のシートio-responseはインパルス応答を計算します。下図のように入力x[n]は「単位インパルス」になります。 |

最後のシートを見る
●IIRとは無限インパルス応答という意味
x[n]の出力y[n]は「インパルス応答」で、下図のようになります。IIR (Infinite Impulse Response)なので無限に続きますが、実質的には0に収束します。 |

LPFのインパルス応答はこんな感じ
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