1-03 Google Colabの無料版を使ってみる!

●高価なグラフィックボードを買う前に…Google Colabを試してみよう!

 生成AIは大量の演算を必要とするため「GPU」が必要となります(*5)。例えばGeForce RTX3090(エヌビディア)のような「グラフィックボード搭載パソコン」があれば良いのですが、生成AIの“入門”のために買い揃えるのはちょっと躊躇するところです。

 そのような方にお勧めなのが、Google Colaboratory(以下Google Colab)です。それはブラウザ(Google Chrome推奨)上で動くPython実行環境であり、図1-04のようにGPUも無料で(*6)使用できます。自分のパソコンでは動かなかった生成AIのPythonプログラムが動くようになるのです!

(*5)GPU: Graphic Processing Unit。パソコンにおいて高速な画像処理に必要な計算を行う装置。その並列計算能力の高さから近年は画像処理のみならず生成AIなどにも使用される。GPUなしで(つまりCPUのみで)生成AIを行うと速度が遅くなり、あまり実用的ではない。

(*6)Goole Colab無料版: GPUの使用量に上限がある、長時間の使用ができないなど制約が多い。無料版より制約が少ない有料版(Colab Pro)もある。

図1‐04 お金をかけずにGPUを使って生成AIする

●パソコンでブラウザを開くとそこにPython開発環境が!

 それではパソコンでブラウザを開き、「Google Colab」のサイトに行きます(図1-05)。「Colaboratoryへようこそ」をクリックし、「ファイル」から「ドライブの新しいノートブック」を選択します(図1-06)。
 図1-07のようにGoogleへのログインが求められるので、アカウントのない人は作成してログインします。すると図1-08のようなUntitled1.ipynbといった「ノートブック」が現れます。

1‐05 Google Colabのサイトに行く (ブラウザはGoogle Chrome推奨)


図1‐06 ファイル→ドライブの新しいノートブック


図1‐07 Google Colabを使うにはGoogleのアカウントが必要


図1‐08

●コマンドセルにLinuxのコマンドを打ってみよう

 ノートブックの左端の「ファイル」アイコンをクリックしましょう(図1-09)。左側にファイルと書かれた枠が現れ、そこにはsample_dataというフォルダのみが存在します。それでは右側の枠の「コマンドセル」から”ls”とタイプして実行(隣の三角マーク)をクリックします。その場所にあるファイルやフォルダをリストアップするコマンドなので、同図のように”sample_data/”とだけリダイレクトされます。


図1‐09

●今度はPythonのコードを打ってみよう

 図1-10のように「コード」をクリックすると新たなコマンドセルが現れるので、Pythonのコードを適当に書いてみましょう。同図のようにprint(“hello”)やprint(1 + 2)などとタイプして実行し、結果を見てみましょう。

図1‐10


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