2-01 Biquad(縦続接続)のEXCELシートの説明(続き)
●サイン波の入出力を見てみる
その隣のio-sinwaveシートでは入出力を計算します(右端にそのグラフ)。デフォルトでは入力が1000Hzになっており、図2-07のように-3dB減衰しています(カットオフ1000HzのHPF)。
また位相は270度(4.7rad)ほど進んでおり(*1)、この特性と一致していることが分かります。
(*1)サイン波の5番目の山の位置を比較すると半周期(180度)よりだいぶ進んでいる。 |
図2-07 1kHzは-3dB
READMEシートに戻って入力を600Hzにします(図2-08)。HPFなので周波数を下げればさらに減衰するはずです。 |
図2-08 入力(サイン波)の周波数を変える
●HPFなので低い周波数は取り去る
io-sinwaveシートを見ると図2-09のように1/20ほどに減衰(約-26dB)しています。また位相は400度(7rad)ほど進んでいます(*2)。この周波数特性との一致を確認しましょう。
(*2)サイン波の3つ目の山の位置が一周期(360度)以上進んでいる。 |
図2-09 600Hzは-26dB (出力は縦軸スケールを拡大してある)
●HPFなので高域は通過
入力周波数を2kHzに変えてみると図2-10のように減衰なしで通過します。位相は110度(1.9rad)ほど進んでいます(F特と比較)。 |
図2-10 2kHzは0dB
●3つのBiquadの係数をLPFに変える
それでは係数をLPFに変えてみましょう。これをf-responseシート(D列、K列、R列)にコピペすると図2-11のような特性になります。Biquadが1個の場合(これ)と比べると3倍急峻になっています。 |
図2-11 LPFの特性。カットオフは4kHz
●io-sinwaveシートでLPFの入出力を見る
カットオフ4kHzのLPFなので2kHzは通します(図2-12)。位相は-110度(-1.9rad)ほど遅れます(上の特性図と比較)。入力を4,
5, 6... 10kHzと高くしていくと一気に減衰していくのを確認しましょう
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図2-12 カットオフ4kHzのLPFなので2kHzは通過域
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