2-02 色々な特性のフィルタを縦続接続させる(続き)
先ほどはノッチフィルタを追加しましたが、それを「ローシェルビングフィルタ」に変更してみましょう(*1)。4番目のBiquqadをこれと置き換えます(図2‐20)。
(*1)Low Shelving Filter, 低域を押し上げたり、押し下げたりするフィルタ。 |
図2-20 係数を変えると全然違った特性に
●低音をブーストするフィルタ
右の方に周波数特性が描かれています(図2‐21)。このフィルタは300Hz以下を10dBほど持ち上げます。Biquad1〜3がLPFなのでその特性にローシェルビング特性が加わります。 |
図2-21 LPFの通過域の低いところが上がる
●io-responseシートで入出力確認
100Hzのサイン波を入力すると図2‐22のように出力は3倍(約10dB)増幅しています。上図の特性通りです。 |
図2-22 出力が3倍(縦軸のスケールを変えてある)
●逆に押し下げることもできる
ローシェルビングフィルタは低域を押し下げることもできます。この係数に変えると、300Hz以下が-10dBほど減衰しています(図2‐23)。 |
図2‐23 超低音を抑える作用がある
●ノッチフィルタとは逆に特定周波数を上げるフィルタ
この係数に変えると「ピーキングフィルタ」になります。図2‐24のように200Hzだけが12dBほど持ち上がっています。 |
図2‐24 特定の周波数の音が大きくなる
●各Biquadの特性を見てみる
各列の下の方に各Biquadの周波数特性があります。最初の3つがLPF、最後の1つを色々な特性に変えました。それら4つを加算したものがトータルの周波数特性となります(右端)。 |
図2‐25 EXCELの表示スケールを縮小して確認
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