2-02 色々な特性のフィルタを縦続接続させる

 先ほどのEXCELでHPFをLPFに変えました(*1)。このように4kHzまでは平坦(0dB)、その後急峻に減衰していきます。

(*1)デフォルトはHPFだったが、Biquad3個の係数をこれと置き換えてLPFにした(6次のIIRフィルタ)。

 EXCELシートではBiquadを最大4段まで縦続接続できます。図2‐15のように4番目はスルーフィルタになっているので、これに色々な特性を持たせてみましょう。

  図2-15 f-responseシートのY列が4段目の係数

●スルーフィルタをノッチフィルタに

 
4番目のBiquadの係数をこれと置き換えます(図2‐16)。これは「
ノッチフィルタ」という、特定の周波数(この場合500Hz)を取り除くフィルタです。

 図2-16 最多で4段縦続接続できる


●LPFに新たなノッチ特性が加わる

 同シートの右の方の周波数特性を見てみましょう(図2‐17)。4kHzまで基本的にローパス特性ですが、500Hzだけ極端に減衰しています。4つのBiquadのうち、最初の3つがLPFで、最後の1つがノッチフィルタ、縦続接続だとそれらの特性が加算されます。

  図2-17 低い周波数は通過だが500Hzだけは通さない

●io-sinwaveシートの右端を見る

 入力の周波数を変えてみましょう(READMEシートのB5セル)。図2‐18(a)は400Hzで、ここはほぼ通過しますが、同図(b)のように
500Hzになると突然減衰します。そして同図(c)のように700Hzまで上げるとまた通過域に戻ります。
図2‐18(a) 400Hz

図2‐18(b) 500Hz

図2‐18(c) 700Hz

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