5-04 相互相関を画像に適用する

●相互相関(一次元)の定義

 自己相関関数は下記式Aであるのに対し、本章で扱う
相互相関関数は式Bになります。このように相互相関 Rxyは x, y という2つの数列の積和からなります。


●相互相関を二次元に拡張する

 このExcelをダウンロードして開いてみましょう。最初のREADMEシート(図5-51)にEXCELファイルの簡単な説明があります。

 上記式Bは「一次元」の相互相関でしたが、同図ではそれを「
二次元」に拡張してあります(*1)。

(*1)式Bにおけるx, yは「配列」だが、図5‐51におけるx, yは「行列」になる。

 また同図にあるようにここでは N = 8, v = h = 0 としています。すなわちx, yは8x8の行列、相互相関の結果はRxy[0][0]の一つになります。

  図5-51 最初のシートREADME

●二次元、すなわち画像同士の相関

 READMEシートの下の方にx, yの形状があります。どちらも8×8で、xの方を「
テンプレート」、yの方を「対象画像」と呼びます。本EXCELでは、xは3種類、yは9種類用意し、これらを組み合わせた相互相関値を吟味します。

  図5-52 READMEシートの下の方

●最初のテンプレート

 隣の「
正→負」のシートを見るとA〜H列に8×8の「テンプレート」があります。図5‐53では左半分は+1、右半分は-1になっています(値が正→負になっている)。

  図5-53 +1が32個、-1が32個、計64個

●最初の対象画像

 同シートのJ〜Q列には「対象画像」があります。図5‐54では右に行くにつれて値が小さくなっています(
白→黒)。グラデーションがかかっており、40は「白い画素」、5は「黒い画素」という意味です。

  図5-54 対象画像も8×8=64画素ある

●相互相関の式(図5‐51)の乗算の部分

 同シートのS〜Z列(図5‐55)はテンプレートと対象画像の各画素を
乗算したものです(各セルをクリックすると計算式を見ることができる)。同図の右半分が負の数なのはテンプレートの右半分が"-1"だからです。

  図5-55 左半分は1倍、右半分は‐1倍

●相互相関のの式(図5‐51)の累積の部分

 8×8の乗算結果(上図)をすべて足し合わせた結果(
相互相関値)は同シートの右端、AB列にあります。上図では正の値が支配的になっているので、これらを足し込むと図5‐56のように"640"という正の大きな値になります。

  図5-56 テンプレートと対象画像の相関が強いということ

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