5‐05 論理シミュレーションの準備

●やみくもにFPGAに実装してもまず動かない

 HDLコーディングが一通り終わったら
論理シミュレーションを行い、HDLが所望の動作をしているかを確認します。ある程度の規模の回路になるとシミュレーションは必須になります。FPGAに実装する前に必ず行いましょう。

●Mentor Graphics社が提供する論理シミュレータの無償版を使う

 論理シミュレータは
Questa Intel Starter FPGA Edition、またはModelSim Intel(Altera) Starter Edition(どちらも無償版)を使います。Intel社のサイトからダウンロードできます(*1)

(*1)QuestaはQuartus Prime Lite Editon、ModelSimはQuartus II Web Editionに付属している。ダウンロード・インストール法は若干違うが、使用法は基本的に同じ

●プロジェクトを新規作成するには

 論理シミュレーションのプロジェクトを丸ごとコピーしても、ディレクトリ構成、OSやQuesta/Modelsimのバージョンの違い等でうまく動かないことが多いと思います。したがってプロジェクトを
一から作る方法を説明します。

 まず、このアーカイブを解凍すると(*2)、tb_VideoProcフォルダが現れます。適当なフォルダ(例えばGTSRB/SIM以下)にコピーします。以下にその際のディレクトリ構成。

(*2)解凍にはパスワードが必要です(これまたはこれのセミナ参加者のみに通知)

GTSRB
  |-- SIM
  |-- tb_VideoProc
     |-- design 回路本体(実際にFPGAに実装するファイルがある)
     |-- sim 環境ファイル(シミュレーション用、FPGAには実装しない)
     |-- run.do シム実行用スクリプト
     |-- wave.do 波形表示用スクリプト
     |-- initmem.txt SDRAM初期化データ

●プロジェクトの新規作成

 Questa/ModelSimをスタートする。

 メニューのFile→New→Projectを選択。

図5‐40 

 プロジェクト名をvideoprocとし、Project Locationでtb_VideoProcディレクトリを選択してOKをクリック。

図5‐41

 Add Existing Filesをクリックし、Browseをクリック。

図5-42

 tb_VideoProcの下、designフォルダ内の全VHDLファイルを選択してOpen。

図5‐43

 またdesignの下、camrom, w1rom〜w6romフォルダ内の全VHDLファイルも選択してOpenします。以上は回路本体(実際にFPGAに書き込むファイル)になります。

図5‐44

 さらにtb_VideoProcの下、simフォルダ内の全VHDLファイルも選択します。これらは環境ファイル(シミュレーションだけに使用するファイル)になります。

図5‐45

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