コラム2B 2次IIRフィルタ(Biquad)の周波数特性 ●デジタルフィルタの周波数特性の求め方を下図にまとめた コラム24で周波数特性の求め方を説明しました。まとめると図2-130のようになります。 図2-130 デジタルフィルタの周波数特性を得るまでの流れ ●IIR型はインパルス応答が分からない場合が多い FIR型フィルタの場合、インパルス応答は係数と等しいので、係数が分かれば伝達関数が分かります。 それに対しIIR型フィルタの場合はインパルス応答と係数に直接の関係性はありません。ただし、フィルタ形状から伝達関数が自明な場合が多いので、その場合は図2-130のA伝達関数から作業を進めて周波数特性を求めます。 ●Biquadの周波数特性を求めてみる Biquad(2次IIRフィルタ)の伝達関数は次式になります。 式2-40 図2-130にしたがって、Zをe^jωで置き換えると次式になります。 式2-41 ここでオイラーの公式を適用して三角関数の式にします。 式2-42 さらに実数部と虚数部を分離します。 式2-43 ●これから先は計算機で計算させる H(ω)は複素数であり、その絶対値が振幅特性、角度が位相特性になります。この後は図2-130にならってB正規化角周波数特性→C正規化周波数特性→DサンプリングFsにおける周波数特性と進めます。 ●次のコラムでは実際に周波数特性を計算する Biquadの係数a0, a1, a2, b1, b2に具体的な数値を入れてその周波数特性を計算しますが、複雑なので通常は計算機で行います。コラム2Cではラズベリーパイを使って周波数特性を求めるので参考にしてください。 目次へ戻る |