1-02 LPF/HPFの周波数・入出力特性

●LPFの特性をおさらい

 EXCELファイルはデフォルトでLPFで、振幅特性位相特性がこの1kHzの入出力と合っているか確認しました。
 それでは他の周波数ではどうでしょうか。図1‐17のようにREADMEシートの入力周波数(B5セル)を
300としてみましょう。

  図1-17 入力周波数はREADMEで変える

●カット1kHzのLPFなので300Hzは通過域

 
すると入力のサイン波が300Hzに変わるので、io-sinwaveシートのグラフを見てみましょう。振幅はほぼ変わらず(これと比較)、位相は30度ほどの
遅延(-0.5rad)が見られます(これと比較)。いずれも特性通りになっています。


  図1-18 振幅はほぼ0dB、位相は-30度(-0.5rad)ほど

●カット1kHzのLPFなので2kHzは減衰域

 次は2kHzにしてみましょう。READMEシートの入力周波数(B5セル)を
2000とします。入出力を見てみると、振幅は1/4程度(これと比較)、位相は150度ほどの遅延(-2.6rad)が見られます(これと比較)。いずれも特性通りになっています。


  図1-19 振幅は-12dBほど、位相は-150度(-2.6rad)ほど

●フィルタ係数を変えてHPF

 今度は係数をHPF(High Pass Filter, 高域通過フィルタ)に変えてみます。これから係数をコピーして
f-responseシートにペーストします(*1)

(*1)他のシート(io-sinwave, io-impulseシート)の係数は自動的に更新される。

  図1-20 係数はこのシートで変える

高域が通過、位相は進む

 図1‐21の上が振幅特性ですが、カットオフ1kHzの
HPFになっています。同図下は位相特性ですが、正方向に振れており、位相が進んていることが分かります。


  図1-21 HPFの特性。カットオフは1kHz

●カットオフ1kHzのHPFなので2kHzはほぼ通過

 入力が2kHzの場合、出力は図1‐22のように、振幅はわずかに減衰、位相は40度(0.7rad)ほど進みます(サイン波の山の位置が少し早くなっている)。図1‐21の周波数特性と比較してみましょう。


  図1-22 位相が進んでいる(立ち上がり、立ち下がりが早まる)

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