3-02 LPF/HPFの出力を見てみる
●LPFだから低い周波数は通す
EXCELファイルはデフォルトで
このような
周波数特性を持つLPFでした。
このように
1kHzを入力してみると全く減衰しません(0dB)。
それでは他の周波数ではどうでしょうか?図3‐20のようにREADMEシートの入力周波数(B5セル)を
2000
としてみましょう。
図3-20 入力周波数はREADMEで変える
●出力の計算はVBAで行う
入出力特性はVBAで計算します(上図のように2000に変えただけでは出力信号は変わらない)。図3‐21のように
Module2
を開いて実行しましょう。
図3-21 何かパラメータを変えたらVBAを実行しよう
●0〜2kHzまでは通過域
すると出力が計算され、io-sinwaveシートを見ると図3‐22のようにプロットされています。減衰はほぼなし(0dB)、遅延も相変わらず1.57ms程度です。
図3-22 2kHzはぎりぎり通過域
●
2kHz〜3kHzにかけて減衰する
次はREADMEシートの入力周波数(B5セル)を
2500
としてみましょう。その後Module2を開いて実行すると、図3‐23のように振幅は1/5程度になります。
周波数特性
を見ると約-14dBなので合致しています。
図3-23 通過域から減衰域へ遷移する途中の周波数
●3kHzから完全に減衰する
さらに入力周波数(B5セル)を
3000
としてModule2を実行すると、図3‐24のように振幅は1/20000程度になります(最初の3ms辺りまでは暴れるが、その後は安定)。
周波数特性
を見ると約-85dBなので合致しています。
図3-24 スケールを拡大すると振幅5e-5程度(3ms以降)
●IIRに比べて急峻な特性を持つFIRフィルタ
FIRフィルタでタップ数が
140
もあるとこのように2kHzから3kHzにかけて一気に80dB以上減衰させることができます。
●IIRでは不可能、FIRフィルタでは可能な群遅延時間一定特性
FIRの
群遅延一定特性
により、周波数を変えても遅延量は1.57ms程度、(N-1)/2 x サンプリング周期になることが分かります(図3‐22〜24、LPFの出力)。
それでは
HPF
だとどうなるでしょうか?
これ
から係数をコピーしてf-responseシートのD列にペーストします。振幅特性は図3‐25のように、2000〜3000Hzにかけて一気に80dB余り上がっています。
図3-25 位相特性がギザギザなのはATAN関数のせい。実際は右下にまっすぐ伸びていく
●FIRフィルタならHPFでも直線位相特性
また位相特性はやはり直線位相特性、つまり群遅延時間一定特性になっています。それでは出力の遅延時間を見てみましょう。図3‐26のように入力を2000Hzとし、VBAの
Module2
を実行します。
図3-26 パラメータを変えたらVBAを実行する
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