0-01 道路標識の認識をハードウェア化してみた

●道路標識(ドイツ版)をリアルタイムに認識する

 図0‐01は
GTSRB (German Traffic Sign Recognition Benchmark)をハードウェア化したようすです(*1)。CMOSイメージセンサからの動画をFPGAでリアルタイムに認識しています。

(*1このサイトで認識のようすを確認できます。

図0-01

●ディープラーニングをハードウエア化して省電力化

 本企画ではPythonで書かれたプログラムをHDL化し、
FPGA(Field Programmable Gate Array)に書き込んで動作させます。

 GPU(図0-02)などと比べてFPGA(図0-03)は低速で動かすので、
低消費電力になるというのが最大のメリットです。それゆえに組み込み機器用のAIチップの有力候補としてFPGAは注目されます。

図0-02 GPU搭載ボードJetson Nano。クロックは1.4GHz程度で動かす

 GPUには大きな「放熱板」が付いていますが、FPGAボードには付いていません。100MHz程度で動かすぶんには必要ないのです。(*2)

(*2)放熱板のあるボードを組み込み用途に使うのは難しい


図0-03 DE1-SoC(
FPGAは5CSEMA5F31C6)。クロックは100MHz程度で動かす。

●CMOSイメージセンサを直で操作できるFPGA

 図0-04はFPGAボードにCMOSカメラモジュール(OV5642)を取り付けたようすです。同図のようにアダプタボード(デジタルフィルター社)を介して嵌合します。

 FPGAはクロック単位で設計する(RTLという設計スタイル)のでCMOSイメージセンサを直接駆動することができます。本企画ではカラーの動画をFPGAに入力して
リアルタイムに処理します。


 前々回前回の企画と違い、今回は「学習済みモデルの作成」から始めます(*3)。学習時にニューラルネットワークの形状を自由に設定できるため、回路のコンパクト化、共通化など様々なメリットを享受できます。

(*3)以前はあらかじめ用意された学習済みモデルを使用していた

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