コラム2D Biquadを縦続接続して周波数特性を計算

 Biquad(2次IIRフィルタ)を縦続接続すると特性が急峻になります。このExcelをダウンロードして開いてみましょう。最初のREADMEシート(図2-01)のように最大4個の縦続接続が可能です。またBiquadの係数は同図のように各Biquad 5個(a0, a1, a2, b1, b2)づつになります(*1)

(*1)フィードバック側の係数(b1, b2)は反転して足し込みます。

  図2-01 最初のシートREADME

●隣のシートにIIRフィルタの係数がある

 
f-responseシートを見ると図2-02(a)のようにD列にBiquad(1個目)の係数があります。上からa0, a1, a2, b1, b2になります。
 またBiquad(2個目)はK列、3個目はR列、4個目はY列に係数があります(同図b〜d)。これら4つのBiquadを縦続接続した際の周波数特性をこのシートで計算します。

図2-02(a)


図2-02(b)

図2-02(c)


図2-02(d)

●デフォルトは6次のLPF

 同シートの右の方に周波数特性が描かれていますが、図2-03のように
6次のIIR型LPFになっています(*2)
 2次のIIRフィルタ(これ)と比べると傾きが3倍ほど急峻になっていることが分かります。

(*2)4個目のBiquadの係数(図2-02(d)のY列)はスルーフィルタになっているので、実質的にBiquadの3段縦続接続、すなわち6次になる。

  図2-03 縦続接続で急峻な特性になる

●各Biquadの特性を見てみる

 各Biquadの計算列の下方にそのBiquad
単体の周波数特性があります(図2-04)。これら4つの特性を足したものが右端のtotal Gain, total Thetaのグラフになります(4つ目のBiquadはスルーフィルタ)。

  図2-04 EXCELの倍率を低くして全体を見る


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