コラム33 FIRのタップ数を増やしてより急峻・複雑な特性(続き)

●高域を取り去るフィルタ

 次は
HPF(High Pass Filter, 高域通過型フィルタ)です。これから係数をコピーしてf-responseシートのD列にペーストしてみましょう。

               280個の係数をコピペ

●倍のタップ数でより急峻なハイパス特性

 周波数特性は下図のようになります。280タップあるので、2500〜3000Hzで急峻に上がって0dBになります(140タップでは2000〜3000Hzで上がっていた)。

       3kHz以上を通すHPF

●2500Hzはぎりぎり減衰域

 io-sinwaveシートで入出力特性を見ましょう。下図は2500Hzを入力した際の出力です(READMEシートのB5セル=2500としてVBAのModule2を実行)。3msを超えたあたりで-80dB以上減衰します(減衰域)。

     3msを超えた辺りで-80dBに落ち着く

●3000Hzはぎりぎり通過域

 下図は3000Hzを入力した際の出力です。3msを超えたあたりから0dBに落ち着きます(通過域)。また、HPFでもLPFでも遅延はタップ数で決まります(約3.16ms、これ参照)。

      3msを超えた辺りで0dBに落ち着く

●特定の帯域を通過させるフィルタ

 次は
BPF(Band Pass Filter, 帯域通過型フィルタ)です。これから係数をコピーしてf-responseシートのD列にペーストしてみましょう。周波数特性は下図のようになります。1500〜2000Hzで急峻に上がり、3000〜3500Hzで急峻に下がります。

         2kHz〜3kHzを通すBPF

●特定の帯域を減衰させるフィルタ

 さらに
BRF(Band Reject Filter, 帯域除去型フィルタ)です。これから係数をコピーしてf-responseシートのD列にペーストしてみましょう。周波数特性は下図のようになります。1500〜2000Hzで急峻に下がり、3000〜3500Hzで急峻に上がります。

        2kHz〜3kHzを通さないBRF

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